星の王子さま現る

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断捨離や片づけ流行りでも捨てられないモノがある。
その中のひとつ、岩波少年文庫の「星の王子さま」。
その中でも何回も読み返したくなるのは
星の王子さまときつねとのやり取り。
『かんじんなことは、目に見えないんだよ』
『あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思っているのはね、そのバラの花のために、時間をむだにしたからだよ』…
久しぶりにこの本を開いてみたくなったきっかけは、10月の帽子小屋にいらして帽子のオーダーをして下さったさやかさん。
ボーイッシュな雰囲気に小物使いが上手でおしゃれな彼女は、箱根の「星の王子さまミュージアム」で働いていたことがあるという。
なんだか雰囲気ぴったり!
ブルーが好きだというさやかさんの言葉に、星空のイメージが私の頭の中にムクムクと広がる。
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帽子のオーダーを頂くと、私はその方をいつも想い描き、デザインを考え生地を探して歩く。
生地屋さんを何件も梯子することも多いけれど、そんな時間はむだなのかもしれない。
でも、私にとっては世の中にひとつしかないあなたの帽子を創るための大切な時間。
そして、何でもお金を出せばすぐに手に入る世の中で、オーダーという勇気ある決断と、どんな帽子が出来上がってくるのかドキドキしながらお待ち頂く時間も、本当はむだなのかもしれない。
でも、帽子小屋に来て下さるお客さまは、きっと知っているんだと思いたい。
星の王子さまが、たくさん咲き誇るバラを見て言った本当の意味を。
『あんたたち、ぼくのバラの花とは、まるっきりちがうよ』