アンネのベレー帽に込めた願い

アンネフランクは
本当は帽子好きだったのでは?


そう思わせる写真が目に飛び込んできたのは、
5才のアンネがベレーを被って

ちょっとはにかんで笑っている姿です。

13才から、オランダの隠れ家の中で、

ずっと息を潜めて暮らしていたアンネ。

時には、ベレー帽など被って、
ウキウキするような外出気分を味わう日もあった!」
と思いたいのです。



今回、ジャン氏が京都の展覧会で取り上げている
のは、
アンネと私的出来事が重なるストーリー。

『Requiem Playground
80年目の巡礼』




幼い頃、

誰もが手にした事のある「アンネの日記」

今回改めて、
映像や写真、文献などを紐解きながら、

アシスタント作業をすることで、
その背景にある重い歴史を辿りました。

そして、幼かった私には、

その背景を全く理解できていなかったことに、
今更ながら気づかされたのも事実です。




アンネの写真は誰もが見たことあると思いますが、

黒髪だったことを意識している人は、
少ないのではないでしょうか?

アンネが生きたあの時代、

ユダヤ人の特徴の1つである黒髪は、
ユダヤ人であることを隠すために、
染めたり、スカーフで覆ったりする人が多かったそうです。


だからこそ今回、
ドールハウスの中で日記帳に向かうアンネ人形のスタイリングは、
あえて金髪にベレー帽を被せるという装いにしたのです。


‥ささやかな抵抗

そして

‥ひとすじの願い



せめて、
帽子を被っている間だけでも、
穏やかな心で、

夢見る少女「アンネ」でいられますように



*****

ジャン・ピエール・テンシン
『Requiem Playground
80年目の巡礼』
2025/11/22-12/7
現代美術製作所
(京都市上京区挽木町518)


*****

以下、現代美術製作所

曽我高明ディレクター の紹介文の一部を
抜粋して掲載させて頂きます。

*****

〈Requiem Playground〉

(鎮魂の遊技場)というタイトルに相応しく、
会場には鉄道模型やドールハウスなど、
童心をそそるオブジェも交えつつ、
現代美術製作所の空間に、
アンネ・フランクの記憶と、
社会の変化に対するアーティストの想い、
そして個人的な出来事を辿る、
ささやかな「80年目の巡礼」の旅路を描き出します。

投稿者プロフィール

かとうひろみ
かとうひろみ
北鎌倉とスナフキンが大好きな帽子屋です。