うちの裏庭の怪獣


花柄ハンチング昨年の夏、チェコのアート・アニメーションの巨匠・シュヴァンクマイエルの「オテサーネク」を観た。


子供のいない夫婦が、木の切り株を赤ん坊に見立ててかわいがっている内に、切り株が本当に動き出し、どんどん成長して、果ては巨大化した肉食の怪獣と化して人をも食べてしまうという、世にも恐ろしいストーリーである。


その、切り株の枝や切り口が、目や鼻、口、手足、そしてかわいらしいおちんちんとなって動き出すシュールな映像を目にしてからというもの、私は風にざわめく樹木や森に転がっている切り株を見る度に、ドキッとするようになってしまった。


ある日のこと、いつものように帽子の写真を撮ろうと、ロケーションを探して裏庭の崖を降りようとすると、(@@;)!!! ・・・いたのである!

そう!切り株の怪獣が!

空洞化したその切り株は、まるで大口を開けて私を威嚇しているようだ!

慌てて私は、手に持っていたハンチングを大口にかぶせてしまった。ちょっと怖かったのである(^^;)

このハンチングは、バラやシャクヤクらしき大輪の輪郭だけの花を中心に、小花が散った和洋折衷な感じのプリントが気に入って、大切に取っておいた生地を使ったもの。生地を見ているうちに楽しくなって、部分的にピンクのラメ糸とビーズでサテン刺繍をほどこしてから形にしたという、手の懲りよう(^^)v

話は元に戻るけれど、大口あけた切り株にハンチングをかぶせたら、強面だった怪獣が、一気に恥ずかしがりやな雰囲気を漂わせた憎めないヤツに早代わりした。

最近、ペットを飼いたいなぁ・・・と思っていた矢先のこと。しばらくは裏庭の怪獣君にいろんな帽子をかぶせて遊ぶとしましょうか?!

名前は巨匠の名前の一部を頂いて、「シュヴァ」!私に素敵なインスピレーションをいっぱい与えてくれる想像力の怪獣になりますように(^^)v

追記:神奈川県立近代美術館葉山館で、この秋、「シュヴァンクマイエル展」が開かれるそうだ!見逃せないぞ(^0^)/