勝利の女神・ニケ帽
パリのループル美術館で、展示された作品の存在感に圧倒されながらも、その場でその作品をスケッチしたことが貴方はあるだろうか?
お絵かき仲間である彼女の描いたサモトラケのニケを観たとき、ルーブルのエントランスに置かれた3メートル以上ある「勝利の女神・ニケ」を見上げてスケッチしている彼女の集中した後姿と、ペンをスケッチブックに走らす体全体の力強くしかも素早い動きを、目の当たりにしたような感覚だった。そしてその感覚は、私の中にちょっと衝撃的な感覚としてずっと残っていたのだ。
そんな彼女から帽子を作ってくれと頼まれた時、何故かすぐに、あのニケのスケッチの事を思い出した。そして、彼女に頼んでスケッチの画像を送ってもらい、今回のニケ帽が製作されることになったのだ。
麻の布地に、トップからサイドにかけて、彼女のスケッチから私が起こした図案を刺繍したこのハンチング、「made in Japan」なのに、フランスの香りがするとお褒めの言葉を頂いた(^^)
でも、実はこの帽子、ニケを図案化するまでに相当四苦八苦したのである。彼女の描いたニケの迫力に圧倒されて、私の中で線が一向に定まらなかったのである。彼女の描いた線やその力の入り具合など、全てを刺繍することは不可能だし、だからと言ってどの線を生かせば彼女の描いたニケを生かせるのか?
スケッチを机の前に貼って、ルーブルでの彼女の描いている姿を思い描いて、紙の上に線を描く。有名スポーツメーカーの名前の由来とそのロゴマークのイメージがニケ(NIKE)の翼であるように、彼女のニケを図案化するための試みは、私の中ではスポーツのイメージトレーニングそのものだったのだ!
ある日のこと、いつもは「よし、やるぞ!」とスケッチに向っていた私なのだけれど、その日はいつになく空っぽの頭で(いつも以上に空っぽと言うべきか?^^;)、その辺にあった紙と鉛筆で手を動かしてみた。そうしたら、なんと線が決ったのである!ヤッタ~!
どうやら勝利の女神は、空っぽの頭に宿るらしい(^^)v
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“勝利の女神・ニケ帽”へ2件のコメント
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これもいい~。一目みて思った。
すごい才能ですねぇ。
作った帽子達は販売とかしてるんですか?お店とかやってたり?
▼ひろりんさん、ご無沙汰してます。お元気そうで何よりです。帽子をお店においてもらった由、我が事のようにうれしく思っております。▼さてさてこのニケ帽、彼女が被っている姿を先日拝見させていただきました!ハンチングは誰をもスポーティにしますね。日頃は優雅な彼女が見事にいたずらっ子のレディに変身していましたよ。そんな彼女も、そして帽子も、素敵でした。▼追記:うちのアクセス少ないへっぽこブログから、こちらにリンクを貼らせて頂いてもよろしいでしょうか?もちろん『ダメ』ということでもかまいませんので、御一考いただければ幸いです。