ひょうたんからコマ、サンダルからフェルト


スリッパのようなサンダルを履いて旅に出たりしたら、
足が痛くなるのは当たり前だよね。
でも時は西暦100年頃。
しかもすぐに替りの靴が手に入る訳じゃない。
そこで彼は考えた。
サンダルのつま先に麻や獣の毛を入れて
当りを柔らかくしたらどうだろう?
そして彼はそのまま旅を続けたとのこと。
そしたらなんと、
サンダルの中でフェルトが出来ていたんだそうな!

これは、ローマ司教4世St.クレメントの伝説。

しかし、ココからが彼の凄い所。
どうすれば繊維がフェルトになるのかを解明して、
システムを作り、仕事として回るようにグループを作り、
産業化したのだ。
そして、フェルトから作られる帽子が大ブームとなって、
ついには帽子屋さんの守護聖人として祀られる事にな
る。


ここからは私の話。

ここの所、帽子を生地から創りたいなと考えていた。
プリントなのか、織りなのか、それとも染めなのか?

友人に勧められてフェルト作家「吉谷美世子さん」の
作品展に足を運ぶ。

実は、フェルトはノーマークだった。
なんせ、水を使うなんて、冷たそうだし、汚れそうだし。
・・・なんて私らしい怠け者的発想(^^;)

しかし、吉谷美世子さんの作品を見たとたん、
この人にフェルト創りを教わろうって決めちゃったので
ある。

プリントした絹の生地を羊毛で挟んだり包んだりして創
られた立体的な生地は、もっさりとして可愛いだけのイ
メージだった私のフェルト観を全く変えてくれたのだ。
これってアートだよ!


フェルト初心者の私の作品はまだまだ小僧の手習い。
湿度・温度・摩擦のフェルト化三要素が偶然揃った
St.クレメントのサンダルの中から生まれたフェルトより
、計画的に作られたものではあるけれどね(^^;)

でもこの体験がこれから創る帽子とどう結びつくのか?
乞うご期待である(^^)v