毎日こつこつ

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私は「こつこつ」が苦手である。


ヒールの靴を履いて「こつこつ」と音を立てて歩く事も、

小銭を「こつこつ」と貯める事も、

毎日時間を決めて「こつこつ」と働く事も・・・。

好きな帽子創りでさえ、気が向かないと何日も手を付けなかったりする始末。

 

でも、「毎日こつこつ」がどんなに大切な事なのか、

「毎日こつこつ」から生まれてくるものの迫力がどんなに凄いのか

身に沁みた昨日今日。

 

場所は、

東京都現代美術館「大岩オスカール展:夢見る世界」

http://www.mot-art-museum.jp/kikaku/

 

そして、

ギャラリーテオ「大岩オスカール:Painting in the Age of Globalization」

http://www.galleryteo.com/

 

日系ブラジル人であり現在NY在住のオスカール氏が生み出す作品には、彼独特のユーモアとシニカルな視点が、練りに練られた構図と細かな筆致で描かれている。

巨大な作品の前で、「この絵には何が隠されているんだろう?」と目を凝らす時、オスカール氏に試されているようなヒリヒリ感とワクワク感を覚え、思わずニヤニヤしてしまう。

 

オスカール氏は、毎朝娘を保育園に連れて行った足でアトリエに向かい、そこで9時から5時までただ一人黙々と仕事をする=絵を描くと言う。サラリーマンと同じ。でも残業は基本的になし。

とにかくその毎日の繰り返しから、これらの膨大な作品が生まれると言う。

計算してみると、227cm×111cmの巨大で緻密な油絵が、毎週1枚完成するという超人的なペースで作品が生み出されていると言う。まさに「毎日こつこつ」の成果である!

 

両会場で流されている「ドキュメンタリービデオ:大岩オスカールARTIST 1995-2008」(監督:ジャン・ピエール・テンシン)を観れば、彼の作品の幅広さに驚くと同時に、ごく普通の生活をする中で想像力を逞しくする事の楽しさに気づかせてくれたり、当たり前の事として毎日こつこつ仕事をするという気負いのない言葉が心に沁みるのは、私だけではないだろう。

 

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話は戻るが、「こつこつ」には、

        
堅い物がふれあって出る音、靴音など

        
絶えずつとめる、律儀につとめる

という意味が一般的に使われているけれど、

「忽忽」と書いて、他にも意味があるらしい。

        
おろそかにするさま

        
すみやかに去るさま

        
なすべき事が手につかないさま

        
迷うさま、惑うさま

        
うっとりとしたさま

 

どうやら私は、後者の「毎日こつこつ」のようである。(除く⑤)

こりゃあ、自慢できる事ではないわい!

 

ヒールを履いて女性らしく「こつこつ」音を立てるのは無理だとしても、

白馬に乗った王子様や一攫千金を夢見てないで

毎日時間を決めて「こつこつ」仕事をしよう。

9時から5時までひたすらとまではいかなくとも、「気が向いたら」という不埒な姿勢は改めよう。

そうしたら、小銭も「こつこつ」貯まるかもしれないしね(^o -)・・・☆

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