人生は甘くて酸っぱいフルーツのよう~

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待ちにまってやっと観ることができた映画「人生フルーツ」
90歳の建築家・津端修一さんとその奥さん英子さんの日常を追うドキュメンタリー。
http://life-is-fruity.com/
修一さんが建てた木々に囲まれた家で、
英子さんは庭の樹や野菜を育て毎日の食事をせっせと作る。
修一さんも樹木や植物の名札を作ったり、
コンポストのための落ち葉拾いや草刈りに精を出す。
名札には名前だけでなくちょっとした一言も。
たとえば、「しゃくやく」だったら『美人かな?』とか(笑)
そして英子さんの作った料理を『美味しいね』と目を細めながら平らげる。
修一さんは孫のために手作りのドールハウスを作り、
自家製ベーコンをスモークする。
英子さんは作り置きのおかずを娘や孫に送り、
修一さんの髪を切る。
障子の張り替えは、古くなった紙を剥がすのは修一さん、
そして新しい紙を貼るのは英子さん。
とにかくできることは何でも自分たちでやる。
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『自分ひとりでやれることをみつけてコツコツやれば、時間はかかるけれども何か見えてくるから、とにかく自分でやること』
修一さんの言葉を毎日実践している内に、その言葉の意味が分かってきたという英子さん、87歳。
修一さんの哲学が、長年手がけてきた建築設計の図面と精神に揺るぎ無く貫かれているように、日々の暮らしの中でもそれはきちんと実践されている。
実はこのドキュメンタリー、
『家は暮らしの宝石箱でなければならない。』
という、ル・コルビュジエの言葉から始まる。
このタイミングで観なさいとでもいうように、奇しくも国立西洋美術館で「ル・コルビュジエ展」を観てきたばかり。
ピュリスム(純粋主義)を唱え絵を描いていたコルビュジエは、建築で名が知られるようになっても午前中は絵を描くことを日課にしていたという。
きっと、毎日コツコツ描き続けていくことで見えてくるものがあったに違いない。
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それにしても、帽子にすぐ目の行く帽子屋のさが、修一さんと英子さんが被っている帽子が気になる気になる!よく見ると白樺の樹の皮でざっくりと編まれた手作りの北欧のフルーツ籠のよう。
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きっとこの帽子も庭で拾った樹木の皮で手作りしたものなのではないかしら?修一さんが樹の皮を干している姿や、英子さんが帽子を編んでいる姿を、そして、時にはこの帽子に庭で拾ったフルーツを入れて運ぶ事があったかもしれないなぁ…なんて想像してしまう。
修一さんと英子さんのように全て自分でやることはできないとしても、せめてやりたいことはコツコツやり続けていこうと、なんだかとっても勇気づけられたのでありました。
人生は甘くて酸っぱくておいしいフルーツのよう!
なのだから(^^)

投稿者プロフィール

かとうひろみ
かとうひろみ
北鎌倉とスナフキンが大好きな帽子屋です。