わが子ハンチング、13年ぶりの再会!
先日のこと。
帽子小屋を開けていると、迷いなく店内に入って来られたお一人の男性。その方がいきなりバックから取り出されたのは、13年前に作らせていただいたオーダーハンチングだった。
よくドラマや小説で、生き別れた子供の事は姿かたちが変わってもすぐわかると言うけれど、まさにそんな感じの帽子との再会。
よく使い込まれていて、色もいい感じにあせていたけど、すぐにオーダー頂いた時の状況が蘇る。そして、そのハンチングを手にされたSさんとの出会いの情景も、一瞬の内に総天然色フィルムとなって頭の中を駆け巡る。
私がまだ「帽子小屋」と言うスペースを持たず、「流し」のように行く先々で帽子オーダーの受け渡しをしていた頃のこと。その場所は、喫茶店だったり、公共施設のエントランスだったり、時にはお宅に伺うことも…。
その日も、ある方からオーダーいただいた帽子が完成してのお渡し日だった。
お渡し場所に指定されたのは、ママさんがひとりで切り盛りしている小さな呑み屋さん。
カウンターには常連さんらしきオジサマ達が仕事帰りにふらりと立ち寄られ、しばしお酒と会話を楽しまれ、気分を切り替えて帰路につく、そんな昭和な雰囲気漂うお店。品よくサバサバした魅力的なママをカウンター越しに囲むオジサマたちの節度ある笑いと掛け合いが心地よい。
そんな中での帽子のお渡し。
オジサマたちの話題が帽子のことになるのは当然の成り行きである。
その店をお渡し場所に指定してくださった私のお客様は、その場にいる方に私のことを紹介して下さるつもりでその店を選んで下さったのかもしれないなぁと、今にして思う。感謝!感謝!
そして、先週13年ぶりに訪ねて来てくださったSさんは、その場で帽子の注文をして下さった方のお一人だった。
帽子の話と絡めて、視覚情報の重要さ、見た目印象のインパクトを解いた「メラビアンの法則」を、その時教えて下さったのもSさんである。
13年前、お作りした帽子をお渡しして以来、お会いする機会のなかったSさんが、ずっとその帽子を大切に被っていてくださった事、それだけで大感激である!
年月を経て、想い出とともにエイジングされた色合いもお気に入りとのことで、まだ現役で被っていてくださるそう!素直に嬉しい!!
しかも今回は、『ひろりん・ 帽子 …』と検索して「帽子小屋」を探し当て、新しい帽子を注文しにわざわざ来て下さったのである!
なんてありがたいことでしょう‼️
ああ!
帽子作りを続けていてよかった!
お店を続けていてよかった!
緊急事態宣言中にホームページをちゃんと作っておいてよかった!
そしてしみじみ、人のご縁で生かされているなぁと、本当にありがたく思うのでありました。
さぁ頑張って、新しい帽子作らせていただきま〜す❣️
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