愛しい眼差し
今日は帽子のオーダーをご依頼頂いた奥様のお宅にメジャーを持って採寸に。
遊びに来たお孫ちゃんが室内用の小さな三輪車に乗って走り回るというすっきりと広いリビングから見えるのは、庭一面に咲き乱れる何十種類もの薔薇の花。ご夫婦揃って薔薇が大好きとのこと。
まさに今が薔薇のシーズンとあって、赤・白・黄・オレンジと各色揃った薔薇たちの共演。一口でピンクの薔薇といっても、花びらの色はさまざまで、濃いフューシャピンクだったり淡いピンクだったりグラデーションだったりとそれぞれに目を楽しませてくれる。そして香りも。部屋の中にもあちらこちらにさりげなく飾られた薔薇たち。「クイーンエリザベス」や「ホワイトクリスマス」などというイメージが膨らむ薔薇の名前を教えていただきながら頂くコーヒーに、私まで優雅でゆったりとした気分になってくる。
おっと、今日の私の本分を忘れちゃぁいけないのです。
そう、今日は採寸と帽子の打合せに伺ったのでした!
奥様の頭の採寸をさせていただいて、やっと本題の帽子のお話に。
「ご希望の色味はありますか?」私からの質問に
「帽子となると白とか黒・紺しか自分では選ばないのよね。どんな色がいいかしらねぇ?」と迷われる奥様。
同席されていたご主人が満面の微笑を浮かべて「ピンクなんてどうだい?」と声をかけられる。
「ピンクねぇ・・・?」とあまり気のない返事の奥様だったが、ご主人の一言に少し明るい色味を被ってみようかしらという気持ちになられたご様子。
お二人の視線が庭の薔薇の花の中から色を探されているように見えたのは、私の思い込みかもしれません。でも、愛らしい薔薇の花を頭に載せてはにかんだ奥様とその姿を優しく見つめるご主人の姿、そんなイメージが私には確かに見えたのです。
写真は今日頂いた薔薇の花。
そして今年の春、それぞれの奥様の頭の上で旦那様から愛しい眼差しを浴びたであろう帽子たち。
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