また近い内に会おうね!

ペチカみんなが帽子伴田良輔さんのペチカ展が終了した。足を運んでくださった方、どうもありがとう。作品制作にちょっとだけ関わった私からも、「見てくださってありがとう!」って大きな声で伝えたい。そして、この作品たちを観て、少しでもほんわかした気分になって下さったのなら嬉しいなぁと、思うのだ。


以前、私はギャラリーで展覧会の企画の仕事をしていたことがある。


作家さんの想いがいっぱい詰まった作品が会場に並び、作家さんの最終チェックを終えOKが出ると、単なる白い箱だった会場の空気ががらりと変わる。会場全体が生き物のように存在感を持ち出す瞬間だ。それはまるで、セミの幼虫が殻を抜け出し、ミルク色でか弱かった羽がだんだん硬く透明になって、ジジジッと飛び立つ瞬間のよう。それまでの準備がどんなに大変であっても、言葉には表せない充実した感覚が体中に満ちていくのを、私は展覧会の度に味わっていた。

しかし、最終日開期時間が過ぎると、慌しく作品を梱包し、必要以上にセカセカと動き回って後片付けをする。作家さんとの時間や、作品たちとの別れの辛さを紛らわすために。そして梱包した作品と作家さんを送り出し、元の単なる白い箱に戻ってしまった会場にポツンと一人取り残された私は、泣きたい位寂しい気持ちになる。引越しに連れて行ってもらえなかった捨て猫のような気分で・・・。

でも、今回は違っていた!

最終日、ペチカ村のヤンクルやビニーたちを箱に仕舞いながら、「また近い内に会おうね」って声を掛けていた。そして人形たちを載せたトラックが走り去って、ギャラリーが空っぽになっても、今度はもう「捨て猫気分」は味わわなかった。

だって又会えるんだもの!ペチカ村のお話にはね、続きがあるんだよ。

そして、次回会う時はどんな帽子を被らせてあげようかなと、すっかりペチカ村の帽子屋さん気分なのだから(*^o^*)