月下美人に目がくらむ。
月下美人の美しさに目がくらんで、この写真の全体像がすぐには見えないかもしれないが、鈍く重厚な光を放った黒い帽子を、ご覧いただくことが出来ただろうか?
実はこの帽子、完成したら月下美人と並べて撮りたいなと、常々思っていたのだ。もう創り始めて2ヶ月以上になるこの帽子、決してサボっていたわけじゃない。この日にあわせて完成させたと言うとカッコいいが、実はとっても手のかかる作り方に挑戦したのである。
「布かぶせ」という技法で創られたこの帽子は、いくつもの工程から出来上がっている。まずちょっと固めのコットン芯を使って木型で型取りしながら、芯になる帽子の形を形成する。その芯帽の形に合わせて立体パターンをとり、そのパターンで裁断した表布をミシンで繋ぎ合わせ帽子の形を作る。そして最後に芯と表地を合体させて形成する。 あ~、簡単に書いただけでも長丁場だ。
でも、手を掛けただけのことはある。しっかりとした高級感あふれる帽子が仕上がるのだ。もちろん、すべてがうまく出来上がったならばであるが。
今回の依頼は、西部劇に出てくる牧師が被るような帽子との事。しかも、しっかりとした黒いつば広の帽子。形が崩れない硬さをもった、何の遊びもないシンプルな帽子をご希望だ。まさに、荒野の牧師の心情を表すかのような帽子。
依頼人は思いっきり遊び心のある自由な発想の持ち主、憎めないいたずらっ子って感じ。しかし、生き方はしっかりと地に足着いたジェントルマン。
そこで私はひらめいた。
たった一晩だけ、この世のものとは思えない妖艶さを持って花開く月下美人。そんな晩は、荒野の堅物牧師でも、芳艶な美人に酔いしれてもいいのでは・・・?!一晩だけのスパンコールのリボン飾りで着飾って!
さあて、出来上がったシンプルな帽子に、この写真とスパンコールのリボンを添えてお届けしよう。
シマッタ!依頼人にどんな牧師かを聞くの忘れてた!牧師イコール堅物や良い人とは限らない。牧師を装った悪者や色男ってこともある。う~む、スパンコールのリボンが一日だけといわず大活躍にならないよう、添えるのは写真だけにしておこうかな?! (^。^;)・・・☆
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“月下美人に目がくらむ。”へ1件のコメント
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お暑うございます。お久しぶりです~~
やー、素敵な写真!
なんだか帽子も夢見心地のようで、
堅い帽子なんでしょうけど、美しいです。
これからもいろんな帽子を見せて下さいね!