雨の日もお散歩したくなる帽子



雨の中、傘をさしながらお散歩していると、ひとりのおじさんとすれ違った。


 


そのおじさん、片手に傘、そしてもう片方の手には透明のビニール袋。それも持ち手さえも付いていない、スーパーで野菜とか買ったときに自分で入れるあの長方形の中身丸見えのビニール袋。


興味があるわけではないけれど、自然と袋の中身に目が行ってしまう。


するとその中には、タバコの箱らしきものと一緒に、なんとベージュのクロッシェが折りたたんで入っていた。


 


何でわざわざ帽子を脱いで傘を差しているのだろう?こう言っちゃ何だが、雨に濡れるのが困ると言うほどの帽子でもないようだ。そうだとしたらこのおじさん、雨があがって陽が射してきたら帽子を頭に乗せるつもりなのだろうか?ってことは、このおじさんにとって、帽子は陽射し除けのための実用品でしかないというわけだ。おぬし、帽子を被る楽しみをご存知ないな?


おじさんを引き留めて、一席ぶちたい気持ちをグッと抑えて家路を急ぐ。


 


体が弱くて歩く事さえままならない時期を経て、最近は体力が付いてお散歩が楽しいとおっしゃる方のために、雨の日にも被りたくなるような帽子を創ろう。


 


そして出来たのがこのキャスケット。


欲を言えば・・・、


『雨の日もお散歩したくなる帽子』になってくれるといいなぁ。