夜のピーターパン


夜の9時頃になってやっと完成した被ると「夜のピーターパン」みたいな帽子。


黒地に黒糸で小花刺繍が施された麻生地で、タックや切り替えをたっぷりとった、チロリアンハットシェイプの帽子。サイドにワインカラーのレザーを使った鳥の羽を広げたようなコサージュ付きだ。これを被れば夜空も飛べそうな気分!


 


帽子を創っている最中から近くで大きな花火の音がしていた。庭から見えるかどうか確認したくてウズウズしていたし、外で思いっきり伸びをしたかったから、完成した帽子を置いてすぐに外に出る。


真っ暗闇の庭に出ると、火薬のニオイではなく、なんとも妖艶で芳しい香りが。


「あっ!」


朝、庭に出たとき、月下美人の蕾が大きくふくらんでいたのを思い出したのだ。


慌てて月下美人の鉢のあるところに行き眼を凝らすと、暗闇の中で羽を広げたように白く浮きあがる艶かしい花が2輪咲いていた。その美しさと香りで闇夜を支配するかのような圧倒的な存在感だ。


 


去年も黒い帽子と月下美人を並べて写真撮りしたけれど、帽子の写真というよりも月下美人の写真になっちゃったっけ。今年も懲りずに挑戦してみたけれど、やっぱり主役はどうみても月下美人。


でもね、月下美人は年に1日しか咲かないのだもの。今日くらいは主役の座を明け渡してもバチはあたらないよ。


なんてったって、「夜のピーターパン」はロングラン間違いなしだからね(^o -)・・・☆