ハンチングは時代と共に~

どの形にしようか迷われている方にハンチングをお勧めしたら、「あれっておじいさんの被る帽子ってイメージがあるんだけど・・・?」って言われてちょっと戸惑ってしまった。いや、確かにそんな時代もあった。そして実は私も、ちょっと前までちょっぴりそう思っていた。それどころか私の中では実はもっとイメージ悪かった。古い映画やドラマに出てくるちょっとショボクレタおじいちゃんか御用聞きのあんちゃん。職業だったら商人かチンピラさん。それもそんなに羽振りはよさそうじゃなくて、ちょっと狡い感じ。あらあら、あんまりじゃない!って感じである。


 


鳥打帽と言われるハンチングはその名の通り狩猟のときに被られた帽子。19世紀、狩猟と言えば身分の高い紳士たちのお遊びでもあった。そして実際に銃を構える紳士は馬にまたがり、実はトップハットを被っていた。そしてハンチングを被っていたのは、何を隠そう狩場で鳥獣を駆り立てる人夫だったのだ。「ハンチング=人夫の被る帽子」のイメージをそのまま受け継いだ日本映画やドラマが、私のようなハンチングのイメージを日本文化の中に定着させたのだろう。


 


しかし、時代は変わるのだ。乗り物が馬から自動車に変わって、その時代に自動車を乗り回すことが出来るお金持ちたちが被る帽子も、トップハットからハンチングに変わっていった。まだ屋根もついていない自動車の中で被るのにハンチングは好都合だったのだ。


 


こうやってハンチングのポジションはどんどんアップしていった。今じゃ日本でもハンチングを被っているおじ様はダンディーにみえるし、若者男子にとってはさりげなく気取らずに被れるオシャレなツールとして定着したのだ。


 


 


そして時代はどんどん進む。今では女の人も当たり前のようにハンチングを被る時代になった。


 


ワインカラーの皮のハンチングは自分用。ちょっとハードな感じで被りたい。


 


オレンジに刺繍の入ったハンチングは、かわいい癒し系の女の子から確実にキャリアをつかみつつある前途有望な美しい彼女用。あなたの持つ可愛らしさをいつまでも忘れないでね。


 


そしてピンク刺繍の入ったハンチングはバレーを楽しむステキなプリマダム用。しかも刺繍の絵はお孫ちゃんが描いたバレーを躍るプリマダムの姿。なんて可愛らしいんでしょう!


 


 


女性がハンチングに手を出したきっかけが何であったのか研究不足だが、被り心地のよさだけでなく、いつだって身を飾る事が大好きな女性の感性にフィットしたのには間違いなさそう(^^)