そろそろらシーネ

キヌガサタケ

先日国立科学博物館で開催されている(~2009/1/12)

「菌類のふしぎ・きのことカビと仲間たち」展に行ってきた。

 

カビは苦手だけれど、きのこには目がない私。

お味噌汁の具で一番好きなのはナメコと豆腐だし、中華定

食で心ときめくのはきくらげと卵の炒め物。レストランできの

こスパゲティーがあったら、メニューを決めるのに迷っても

最後まで有力候補として残るだろう。

いやいや味だけではないのだ。何といっても形が愛しい。

残念ながらきのこ狩りを体験したことはないが、道を歩いて

いてきのこを見つけると、たとえ時間がなくとも立ち止まっ

てしゃがみこんで眺めたくなる。

 

今回の菌類展、大小さまざまなとぼけた形状のきのこたち

の大集合。その中でもひときわ異彩を放つ白いレースを纏

った「キヌガサタケ」に心奪われながら、久しぶりに私は思

っていた。・・・そろそろ帽子を創りたい、って。

 

怪我








実はこの2ヶ月ほど、帽子つくりから遠ざかっている。

何を隠そう、利き手である右手を負傷してしまったのだ。

それも交通事故。右手を固定されてしまったのでいやおう

なく帽子屋休業である。毎日接骨院に通う日々。それ以外

の時間はたっぷりある。あきらめの良い私は、ここぞとばか

りに本を読み、映画やドラマを観、寄り道をいっぱい作って

お散歩を楽しむ。更に、これからは自給自足だ!と、家庭

菜園作りの計画を練ったり、古着を染料で染めてみたり。

結構楽しいのである。

 

シーネ








怪我してしばらくの間、右手は「シーネ」で固定されていた。

シーネとは熱を加えると柔らかくなり冷めると硬くなるメッシ

ュ状のプラスチック樹脂。私の手首にぴったりに形成された

それをはめて、その上から包帯をぐるぐると巻いていた。

怪我した当初、すぐに治って帽子屋復帰をと考えていた私

は、腕を固定するシーネが帽子材料に使えるのではと、接

骨院の先生に分けてもらっていたのだ。しかし、怪我の回

復は思ったよりも時間がかかり、そんなことを考えていたこ

とさえもおぼろげなり、ヤキモキしつつも帽子屋復帰への意

欲は怠け癖に呑まれそうになっていたような・・・。

 

そんな時、「キヌガサタケ」が思い出させてくれたのである。

その姿に、仕舞い込まれた「シーネ」のことを。

そして帽子創りの楽しさを。

 

そろそろ身も心も帽子屋復帰の準備が整ってきたようだ。

あともう少し!でも、あせらずにね(^o -)・・・☆

 

<写真>

・美しい白いレースを纏った「キヌガサタケ」

・固定された右手と怪我に呆然としている影

・思い出された「シーネ」