赤い実

2009.7末~ 帽子0004


 


お正月飾りといえば、松、竹、南天、千両、万両、葉牡


丹など色々あるけれど、縁起物度がぐっと強まるよう


に思うのは赤い実がついた南天や千両、万両。その中


でも赤い実が重々しくたわわに垂れ下がる万両は、葉


の下に実がなることで鳥に食べられにくいという。


 


年の瀬に入りなんとなく気ぜわしくなる頃、正月飾り用


にと庭の色づき始めた赤い実を考えていたら、一夜に


して鳥に実を食べられてしまった!なんて話をよく聞く


けれど、万両は備えあれば憂いナシ、セキュリティー


対策も万全な縁起物の植物である。


 


今年最初のブログ写真は昨年和装撮影された花嫁さ


ん用に創らせていただいた髪飾り。それを引き立てる


のは万両の赤い実。


 


  


花嫁さんの撮影日に準備段階から立ち合わせていた


だいた時のこと。プロのヘアメークさんの手によって化


粧を施され、髪をアップに結い上げ、重量感いっぱい


の白無垢を身にまとう過程で、あどけない笑顔をたた


えていた花嫁さんの表情が、決意を秘めた大人の眼


差しと表情へと変化していく。仕上げに御髪に飾られ


た髪飾りからつづく襟足そしてうなじが眩しいほどに輝


いている。


 


 DC0133


 


撮影は晴れ渡る屋外、緑あふれる公園にて。


移動中道行く人々が振り返り、温かい眼差しで「おめで


とうございます」と声を掛けてくれる。新郎新婦のちょっ


ぴりはにかみながらも弾んだ「ありがとうございます」と


いう受け答えに、取り巻く誰もが優しい気持ちになって


思わず頬が緩んでいるのが見て取れる。


幸せは伝染するらしい。


 


DC0135


 


途中フカフカな落ち葉の陽だまりで、綿帽子を被った


花嫁姿の撮影も行われた。いまどきは、文金高島田ま


でも結わなくとも洋髪で綿帽子を被ぶる花嫁さんが増


えているという。古式ゆかしい日本女性の嫁ぐ姿に憧


れる女性も多いに違いない。


 


綿帽子には災難よけや魔よけの意味があるというが、


夫となる男性以外に花嫁の顔を見せないために被ると


いう説もある。美しい花嫁を他の誰かにさらわれてしま


わないように。万両の赤い実を守る葉のように。


 


おめでとう。いつまでもお幸せに!


 


 


そしてこのブログを読んでくださったあなたにも~


おめでとう!そして幸せな一年でありますように。