人はそれを宝物と言う?
時間を作っては片づけに余念がない今日この頃。
片付けと一口に言っても、日常の片づけではなく、
長年積み上げてきたモロモロの整理整頓。
先日は手紙の整理。
年毎に紐でくくった手紙の束は、私の手元に20年以上
溜まり続け押し入れの中で大きな場所を食っている。
実家の屋根裏に保管されているはずのそれ以前のも
のは目をつむるとしても、とにかく手元にあるものだけ
でも整理しようと手紙の束の紐を解いてみることに。
破棄する前に読み返したら捨てられなくなるぞ・・・と迷
いながらも手にした手紙たち。それを受け取った時の
情景や読んだ時の気持ち、そしてその時代の空気感に
一気に呼び戻され感傷的になるのは想像に難くない。
案の定、忘れていたはずのあの人からの別れの手紙
や、私が辛い時それにはあえて触れずに日常を頻繁
に綴ってくれた友達からの手紙、何も言わない私を心
配しつつも短い言葉を届けてくれた親からの手紙・・・
どれもこれもいかに私を気遣ってくれていたことかと
ありがたい気持ちでいっぱいになる。もちろん旅先か
らのイキイキした便りや、その年齢特有のお悩み相談
だったりと、微笑ましかったり恥ずかしかったり。
そして全てが良い想い出へと繋がるのは、私の中で
きれいに消化するのを時の流れが手伝ってくれたから
に違いない。
と同時に、自分の出した手紙が誰かの手元にまだある
かもしれないと思うとなんだかとってもこそばゆい。
それにしても私にショックを与えたのは、ここ数年の手
紙の束がめっきり薄くなったこと。メールが当たり前に
なって電話の延長のような文字のやりとりしかしなくな
ったからに違いない。たとえバックアップしてあったとし
ても、手紙の様に10年以上経ったメールをパソコン開
いて読み返すということを私はしないだろう。
そう思った
ら急に、近10年分の手紙の束には手をつ
けないまま、また押し入れの中に戻すことになってしま
った。厳選されたそれ以前の手紙たちと一緒に。
捨てたいけれど捨てられないものが残っているのも
悪くないかな、なんて思ったりして・・・。
人はそれを宝物と言う?
少なくとも、私はそれを宝物と呼ぶ、ことにしよっと(^^)
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