小さなハンチングが生まれる時
自分の子供を持つってどんな感じなのだろう?
眼の中に入れても痛くない程可愛いって思うこともあ
れば、リトルデビルよろしく自由奔放に振る舞うさまに
心底面食らうこともあるだろう。でも『小さいってそれだ
けで愛らしい!』って、小さなハンチングを創りながら、
柄にもなく自分の中の母性を感じたりもする。
今、朝日新聞の「患者を考える」という欄で「青あざ」に
関する連載がされている。肌の色を決めるメラニン色
素が、真皮に過剰に集まることで出来る「太田母斑」。
実は私にも青あざがある。生まれて数カ月経った頃頭
の一部が黒ずみ、それはだんだん大きくなって顔にま
で広がっていったのだ。長年のドライアイス療法やレ
ーザー照射で今でこそだいぶ薄くなったものの、小さ
い頃には「あしたのジョー」なんてあだ名を付けられて
からかわれたこともある。気にしないで生きてきたつも
りだけれど、たぶん傷ついたり諦めたりしたことは少な
からずあったような気がする。でも、あざがあることで、
人の優しさや愛を深く感じることも多かったのも事実。
なによりも代えがたいのは両親からの愛。私が小さな
頃から病院を探し、痛みを伴う治療が心にダメージを
与えることや技術が進歩していく可能性を考慮して、
私の意志で治療を決意するまで、じっと時期を見てい
てくれたのだ。それまでどんな気持ちで私を見守って
いてくれたのか、それは親になったことのない私には
想像がつかないほど深いものなのだろう。
親子3人の帽子を創りながら、これから色んなことが
起こるであろうこの家族の想い出作りに、この帽子た
ちが一役買ってくれるよう、心をこめて~。
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