人生は短くて、終わりは呆気なくやってくる。

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もっとずっと生き続けて、
ハスの写真をもっともっと撮り続ける人だと思ってた。
ロータスレイフォトグラファー
楽遊庵さん

私が帽子屋を始めてから、
いくつ楽さんの帽子を作らせてもらったことでしょう?
毎回お任せと言いながら、ちょっと手の掛かる作りの帽子をご所望される楽さん。
だけれど、その宿題に私がう~んう~ん唸りながら知恵を絞って手間ひまかけて完成させた帽子に、文句をつけることは一度もなかった。それが楽さん。
完成した帽子を見て、『うん、うん』と嬉しそうにうなずいて、『写真撮るでしょ?』と帽子を被ってポーズをとりながら、優しい瞳をレンズに向けてくれた楽さん。
最後に作らせていただいたのは、ハスの花の手刺繍を施したハンチング。
楽さんのハスの写真を見ながらスケッチした絵をトレースしたり、刺繍糸の色選びや、刺していく作業の楽しかったこと!
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そのハンチングは楽さんのトレードマークにもなっていたようで、昨夜行ってきた追悼展に飾られていたのは、ハスのハンチングを被った楽さんの似顔絵。
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私が帽子屋を続けて来れたのも、こんな風にお題を出しながら応援してくれた楽さんのような人がいたからだと、感謝の想いが溢れた夜でした。
奇しくも、私が手がけた帽子の数が1000個を達成したばかり。私にとって、今後どうやって帽子と関わっていくか考える分岐点ともいえる時期。
最後までハスを撮ることに情熱を注ぎ、ハスが引寄せた人達とのご縁を楽しんだ楽さんの呆気ない死は、今後の私の帽子との向き合い方にも大きな影響を与えることになるでしょう。
人生は短くて
終わりはあまりにも呆気なくやってくる。
ハスの花がたった3日の命であるように。
だけど心にいつまでも残るものがあるならば
それは光なのかもしれません。
ありがとう、楽遊庵さん!
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6/8(土)迄、追悼展開催しています。
楽遊庵さんのハスの光をぜひ見てほしい。
サロン・ド・クオン(東白楽)にて
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