晴れた日は、帽子のお手入れ日和。

昨年の秋口に作った、テンガロン風ボア付帽子。

ブリム（つば）の内側の生地をモコモコボアにして、更にリボンの代わりにボアの帯を襟巻き風にクルリと巻いてみた。

テンガロンというと、カウボーイが被る帽子のことと相場は決っているらしい。いつだって敵にガンを向けれるだけの緊張感と俊敏さと孤独を併せ持っているのが、私の持つカウボーイのイメージ。カウボーイに寒いからといって体をチヂこめた猫背は似合わない。

しかし、寒いんだモノ！敵の視線を感じて振り向いたとき邪魔になっても、襟巻きだってしたいし、ショットガンが手から滑って地面に落ちそうになっても、ミントの手袋だってはめたい。寒くて思わず身震いして背中を丸めてしまうことだってある！

そこで、せめて頭だけでも暖かく、しかも暖かく見えるテンガロンハットを作ろうと思ったのだ。（そこまで深く考えていたかは今となっては定かではないが＾＾；）とにかく、思い入れだけはいっぱいあったのだ。

しかし、今年の冬、この帽子が誰かの頭にのって外に出ることはなかった。アトリエ兼居間の飾り棚の上に、ちょこんと座り続けていたのだ。

しかしである！この帽子は、外に出ることはなかったにしろ、暖かく見える冬のインテリアとして、そして家を訪ねてくれた友達やお客さんとの話題作りのきっかけとなるツールとして、大活躍してくれたのである。

今日は、お天気もよく空気も乾燥している絶好の帽子のお手入れ日和。この帽子も、豚毛のブラシで埃をやさしく落として、皆が憧れるあの丸い筒状の帽子箱に、防虫剤と一緒にしまってあげましょう。

テンガロン風ボア付帽子さん、お疲れ様！来年はどんな活躍をしてくれるのかしら、ね？

かとうひろみ

北鎌倉とスナフキンが大好きな帽子屋です。

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