こっちの針はあ~まいぞ(^^)
気ままに世界を旅しながら、
しかも人の役に立つ「手に職」とは何か?
真剣に考えた事がある。
決心した頃の事。
考えあぐねてたどり着いたのが「指圧師」。
たまたま、イギリスで知り合った金髪女性が
「SHIATSU」師の卵だった事と、
やはりイギリスで知り合った日本人女性が、
フリーの指圧師をして旅費をためたという話を
聞いた影響は大であろう。
考えあぐねた割にはなんて短絡的な・・・(^^;)
どうせなら鍼灸師になろうということになる。
はるか彼方昔に卒業した高校にも行って
卒業証明書と成績表を出してもらい
当時の担任の先生に『あんた、偉いねぇ。』と
ねぎらいの言葉も頂いた。
そして、参考書や問題集も買い込んで
にわか受験勉強をし始めたある晩の事、
私の中の熱い想いで膨らんでいた風船は、
針に刺されたようにあっけなくしぼんでしまう
ことになる。
『人様の命を預る事になるかもしれないような
仕事をしながら、気ままに世界を旅する事が
出来るなんて、本当に思っているのか?』
という父の一言で・・・。
ごもっともである!
そんな生半可な気持ちの鍼灸師に
鍼など打ってもらいたいとは誰も思わないもの。
そんな訳で、私はあっさりと願書を捨てる事に。
日本に戻って来てからたった1ヶ月の間の出来事。
火が点くのも早いが消えるのも早いのである(^^;)
関東では2月8日が針供養の日だそうである。
わたしも帽子創りで酷使した針たちを手に、
鎌倉の荏柄天神社へと向かった。
和裁や洋裁の達人風情のご婦人たちに囲まれて
神殿内でおごそかに祈祷していただき、
真っ白なお豆腐に折れた針を刺していく。
働き詰めだった針たちに、最後には柔らかい
豆腐に顔をうずめてやすらかに眠って頂くべく
感謝の気持ちを込めて。
鍼灸師の方も鍼を供養しに来るという。
そんな話を聞いて、ふと
「もし私が鍼灸師になっていたら、
ここに鍼を供養しにきていたんだなぁ。」などと
頭でっかちに将来のことを考えていた日々を思い出し
苦笑いする。
醒めやすい私がこうして続けているところをみると、
どうやら私の性に合っているらしい。
図らずも、創造の世界を旅しながら、
人に喜んでいただける「手に職」と言う点でも、
私にとって「こっちの針はあ~まいぞ(^^)」
なのである。
天神様のお力も頂いたことだし、
あれこれ考えるよりも針をせっせと動かして
帽子を創りましょう。
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