初夢のお告げ



2007年新春の帽子初めは、赤いベルベットのベレー。


昨日、神楽坂の料亭「しふく」にて開かれた


新春朗読会の演者“り・すな”さんの衣装用。


演目は泉鏡花の「女客」。


 


もちろん衣装は着物だが、着物に似合う帽子をと


帽子好きの“り・すな”さんからのご要望。


しかも洋服にも合うもので、あとは一切お任せとの事。


昨年からずっとどうしようかと考えあぐねていたものの


結局イメージは浮かばずじまい。


だらだら考えていても仕方あるまいとすっかり手放して


年末年始を迎える事に。


 


アイディアがふと沸いたのは、1月2日の朝のこと。


初夢の如く私の脳裏に浮かんだのは赤いベルベットの


ベレー。その初夢の残像のようなイメージを追って


一気に創り上げたのが、この帽子。


 


朗読会当日、赤いベレーを被った“り・すな”さんの


艶やかな唇から「女客」の一節がこぼれた落ちた時、


『あれは初夢だったのだ』と、私は人知れず頷いた。


 


『…ふとその時、火鉢のふちで指が触れた。右の腕は


付け根迄二人ははっと熱かったが、思わず言い合わ


たかのごとく鉄瓶に当ってみた左の手はひやりと…』


逗留客の人妻“お民”とその家の主で独り者の“謹”が


夜更けに火鉢を挟みながら話す場面。


 


お民と謹の火照った肌、


火鉢の中ではぜる炭、


湿り気を帯びた声で語る演者の唇、


そして黒髪を包むベルベットのベレー、


それら全てが同化して、


艶やかに赤く染まって見えたから。


 


 


今年もたくさん眠って、たくさん夢をみて、


たくさん帽子を創りましょう!


それが私への初夢のお告げ(*^^*)


 


 


☆神楽坂「しふく」


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