縁起をかつごう(^^)



富士









新しい年を迎えた朝、いつもより早起きをして富士山を拝む

ことに。ピンク色に染まる朝焼けしたその姿に思わず頬が

緩む。いい年になりそうな予感。

 

鷹匠













次の日は放鷹術の実演を見に浜離宮へ。

鳥好きの母のお供のつもりが、拳の上に鷹を留まらせた鷹

匠の姿にすっかり魅了されてしまった私。その出で立ちはと

言うと、鮫小紋の股引、伽半、地下足袋を履き、角帯を締め

た野絆天の上から絆取りを羽織っている。その伝統的な和

服姿の頭に乗っているのはハンチング(鳥打帽)。明治時

代以降、西洋文化流入と共に使用されるようになり、その

姿が正装とされているとの事。無理を言ってそのハンチン

グの出所を教えてもらうと、ロンドンの老舗帽子店Lock &

Co Hattersのもの。深いオリーブグリーンフェルトの型入れ

ハンチングは流石にこだわって選ばれた一品だけあって和

装を引き立てつつその高貴な存在感をアピールしていた。

 

鷹狩というスポーツを愛した貴人たちのために鷹を調教す

る鷹匠は、貴人たちの前でも帽子を脱がなくても良いとされ

ていたという。それは非常に繊細な神経を持った鷹を驚か

さないため。一つ一つの決まり事や動作がちゃんと意味を

持っていることに脱帽である。

 フード














そんな繊細な鷹が何かに驚いて騒ぎ出したとき、頭に被せ

るフードがあることを始めて知った。革で丁寧に作られた目

まで覆うヘルメット形のフードを被せると、鷹は嘘のようにお

となしくなって、主人の拳の上でじっとしている。視界を遮ら

れるとかえって不安になるのではないかとも思うが、絶対的

な信頼関係があるからこそ成立する事だろう。

 

その形があまりに愛らしく、小ぶりなフードをひとつ入手す

ることに。色やトップの飾りが種々あったが、一目惚れした

深緑と茶色の落ち着いた色みのフードを選ぶ。

今年最初に手に入れた私の宝物。

 

ひとしきり浜離宮を散策してから茄子を買って家路に着く。

夕食は油でいためて甘味噌を乗せた茄子のしぎ焼き。

口の中で茄子の滑らかな食感と味噌の甘さが広がった。

 

これでばっちり、一富士二鷹三茄子!

縁起の良い年も夢じゃない(^^)v