さよなら「親知らず」
ただいま・・・。
今、歯医者さんから帰ってきた。「親知らず」を抜く手術を受けてきたのだ。
私にとって、最後の1本である「親知らず」は、まっすぐ上を向いて生えずに、横向いて隣の歯をグイグイ押しながら成長していた。道理で最近、肩こりがひどかったり歯が浮く感じがして、心地悪かったはずである。
「親知らず」とお別れの今日、出かける前にどの帽子を被ろうか玄関口で迷った末に選んだ水玉のキャスケット。すぐ近所の歯医者さんだし、手術中は帽子を脱ぐことになるけれど、どうしても帽子を被って出かけたかったのだ。
掛かり付けの歯医者さんは、祖父の代からお世話になっていて、信頼を寄せている先生だ。「ちょっと面倒な手術になるけれど、心配はいらないよ。」と、言われた言葉を素直に受け入れる。こんな時は素直に限る。もう、麻酔も効き始めて、まな板の鯉同然だ。心配したって、疑ったって、逆らったって始まらない。体や心を柔らかくして、先生を信じて身を委ねるのみである。
手術の最中、私の頭の中では「Shall we ダンス?」の曲がずっと回っていた。そう、あの一大ムーブメントを起こした社交ダンス映画の主題曲。そして、私の頭の中の映像は、パートナーを全面的に信じて身を委ねることで、美しく滑るようにホールを舞う草刈民代の姿。
一方、相当大きくなってしまってシブトク私の顎にしがみ付いていた「親知らず」。目をつぶっている私には見えないが、先生は大格闘の気配。そんな気配を感じると、思わず私の体も硬くなる。頭の中では、草刈民代がブラックホールの競技場でパートナーを信頼せずに転倒してしまうシーン!こりゃぁいかんと、急いで「Shall we ダンス?」のレコードを頭の中で回す回す!
どうやら私の頭の中のこのBGM、絶大なる効き目があったらしい。歯を取り出した後の穴の縫合も無事済んで、意外な程に短時間で手術は終了したのだ。
そして、終わった後に先生は、「よくがんばったね。僕を信頼してくれたから、こんなに早くスムーズに終わったんだよ。信じられないかもしれないけど、本当のことだよ。」っておっしゃったのだ。
なんだかとってもすがすがしい気持ちになって歯医者さんを後にした。まるで、ブラックホールの競技会で、滑るように完璧なワルツを踊った後の爽快感のよう。パートナーは巨大なマスクをした先生、そして私のコスチュームはヨダレかけにビニールのスリッパだけれど・・・(^^;)
外の風は上気した私の頬にはちょっと冷たく、思わず水玉キャスケットを深めに被る。歩き出すと、急に脱力感におそわれてきた。やはり緊張していたのだろうか・・・。あぁよかった、この帽子被って来て。なんてったって深め被ればこの疲れた表情を隠してくれる。この安心感たるや!帽子さんありがとうなのだ。
そろそろ麻酔が切れてきたようだ・・・。今夜は早々と寝るとしますかね。
おやすみなさ~い。
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“さよなら「親知らず」”へ3件のコメント
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はじめまして!
最後の 親知らず 抜歯、無事に済まされたようで、 良かったですネ。 抜歯後の 患部傷口の 早い 回復・治癒を 祈ります。 ではでは、、、 お大事にどうぞ!
親知らずに関してのエントリー、TBさせていただきました。
親知らずを抜くか
親知らず、 我々は 智歯 ( ちし ) とも 呼んでいる。
親知らずを 抜くか 抜かないか? 抜いたほうが いいのか、 抜かなくても 済むのか?
皆さんの間でも、 話題になることが あると 思うが、 答えは、ケースバイケースである。
ただ、 ….
昨日は コメント ありがとうございました!