帽子小屋が出来るまで(夏の思い出編2・修行の道)

夢見るような設計段階を終え、いよいよ店舗改装工事に突入です。
まずはGM..の設計士木本氏が自らハンマーと鋸を持ち、造作を進めてくれました。
必要のない作り付けのディスプレイ台や引出しなどを外し、大工さんと共に仕切り壁を分断し、天井を抜き、棚やテーブルを作りつけるなどなど。
私が自分の個展やWS開催に追われていた6月末から7月後半までの間に、ほぼ内装の骨格が出来上がりました。
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しかし、大方ここまでが店舗改装工事の予算で賄える分。
電気工事や造作、漆喰壁の仕上げ分を除いて、それ以外の目に見えない部分の仕事は予算外で何とかしなければなりません。
シビアな話ですがこれが現実です。
個展やWSが終わると同時に、後は自分でやるしかないという事に今さらながら『はた!』と気づき、ハイヒールから運動靴に履き替え、内装工事屋「修行中!」と気合いを入れての現場通いの日々が始まったのでありました。
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まず最初の私の仕事は、いらないけれど使える大きな家具やディスプレイ台のもらい手を探し、残った廃材をゴミ回収リサイクル業者に引き取ってもらうことから始まりました。物を処分するということがこんなに手間とお金のかかることだと知るこのリアルな体験は、出来ることはまず自分でやってみようという気持ちに拍車をかけました。
とても一人ではやり切れない木部の研磨や土間打ちは木本氏や後出の左官アドバイザー斎藤氏にお願いして、私が次に手をつけたのは業務用エアコン掃除と汚れのこびりついたトイレの便器磨き。途中あきらめかける程だった汚れも、最後はトイレの神様がにっこり微笑んでくれるまでになりました。
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その後は、木本氏のアドバイスと斎藤氏の遠隔指導を受けつつ、
ペンキ塗り、漆喰壁塗りの為の下準備である壁紙剥がし、塗装の飛び跳ね汚れを防ぐための養生、あく止め下地処理など、地味で孤独な作業が来る日も来る日も私を待っていたのでありました。
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詳しくはfacebookの帽子小屋ページに毎日綴っているのでご興味のある方は併せてご覧下さい。
https://www.facebook.com/boushigoya
今考えてみると、そのひとり黙々作業は、私の精神力と体力の鍛錬に必要不可欠なものでした。
報われたのは、久しぶりに会った友人の一言。
『ひろりんの二の腕に筋肉が付いてる!』
あのたるたるだった私の二の腕が…?!
真夏のあの暑さの中、時に床に這いつくばり、時に梯子によじ登って片足を浮かせつつ天に手を伸ばし…といったジムさながらの動作と吹き出す汗。リノベーションダイエットとでも名付けましょうか(笑)
8月も後半に入りいよいよ漆喰塗り壁の仕上げの日を迎えました。
本工事の最大の山場です。
仕上げはプロの手で美しい漆喰壁を作ってもらいたいと八幡工業の左官女子のホープ田原さんと左官アドバイザーの斎藤氏にお願いしました。
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途中、塗り壁体験も開催。
八幡工業では漆喰の塗り壁体験もできる直営ショールームNatura Y’s(ナチュラワイズ)を開設しており、普段はそちらでの体験になるところを、今回特別に帽子小屋で開催していただきました。
左官アドバイザー斎藤氏の指導の下に、鏝(こて)からボタボタとたくさんの漆喰を落としつつ(あぁ、もったいない…苦笑)、鏝さばきの難しさと面白さを体験しました。
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左官は何年も鏝(こて)を握らせてもらえないこともある厳しい職人の世界。その下積みと修業を経て、プロとして仕事をするその姿はうっとりするほど華麗で繊細でありました。
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今回の改装でどうしても譲れなかった漆喰壁。
真っ白なスイス漆喰を使って、壁面ごとにニュアンスを変えた模様を施してもらったことで、光による陰影と奥行きが生まれました。
完成して、思わずバンザ~イ!!
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そしていよいよ最後の仕上げに入ります。
つづきはまた次回。

投稿者プロフィール

かとうひろみ
かとうひろみ
北鎌倉とスナフキンが大好きな帽子屋です。